Balchen教授からは、1990年から開始された海洋牧場の開発に関する研究プログラムPUSH (Programme for the Development and Encouragement of Sea Ranching)の一環として、ロブスターの牧場適地判定のために開発されたDAHABU (Date collection from ocean bottom substrate)というビデオによる海底基質探査装置(無人有索)について説明を受けた(図9)。また、同じく海洋牧場への工学的な技術の応用として別に検討を進めておられる電気フェンスや音響シグナル等による魚群行動制御の実験、超音波シグナルを利用した海洋牧場観測のためのROV (MOBATEL; Model Based TELeoperation of an underwater vehicle)や魚そのものを遠隔操作するためのROF (Remotely Operated Fish)の開発についても話をうかがった。ノルウェーでは人口が少ないことに加えて人件費が高いため、こうした自動制御システムによる省力化への関心が高い。